その機体は急激に上昇をはじめ、街の灯りが遠のいていく。
暗い雲に飛び込みやがて、その雲間を抜けると、雲海の西の端に沈みかけた太陽が見える。
まるでそれを追いかけるように、飛行機は西へと帰路をたどる。
ところどころに雲間から街の灯りがはるか下の方に見え、また雲に隠されて行く。
機内アナウンスがひびき、空港の周辺の気流がみだれ、揺れることが報告される。
真っ暗な雲の中で、2、3度、大きく機体が揺れる、
下降を始め、また雲の下に機体は抜けていく・・・・・・・・遠くに滑走路の誘導ランプが見える。
ギアの出る音がし、しばらくすると軽い衝撃と、ジェットの逆噴射が「ゴー」っと響く。
やっと、着いたな・・・・・。
ターミナルビルを出て駐車場へ・・・・・・・今夜はまだ100kmもの道のりを帰る必要がある。
疲れた肩にカバンをひっかけ、小雨に濡れたドアの取っ手を引く。
空港を出て、しばらくすると深い霧が辺り一帯を覆ってきた、ヘッドライトで小雨の粒と霧が白く反射して見える。
ワイパーが単調に動く・・・・・・・。
そして、前方の車の赤いテールランプを追いかける。
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