前篇で、主導権を握れとかきましたが
主導権を握り続けるのはそうたやすいものではありませんね
敵の動きをいかに察知し、こちらはどう手を打って行くかですが
孫子は、
「後の先をとれ」(軍争編)
と説いてます
「軍事の難(かた)きは、迂を以て直と為し、患を以て利と為す。
故にその途(みち)を迂にしてこれを誘うに利を以てし、
人に後れて発して人に先んじて至る」(軍争編)
戦うことの難しさは、迂路を近道にして、害を利とすること。
だから我々は迂路をとって見せ、敵を餌で誘って操り、敵より後に出発して敵より先に戦場に到着して待つのだという
すなわち、これが「後の先」 です
後の先は、敵の動きを観てから動くのだから無駄はないが、重大な危険も潜んでいる。
敵に先の先をとられ、そのまま全過程を通じて後手に回ってしまうこともある
孫子が後の先をとれと主張するのは、戦争の経済性への配慮とともに、情報能力の優越、戦力の優勢、不敗態勢への自信に裏付けられたものと判断される
後の先を成立させるには、敵を操って遅らせる策略と、敵より優れた機動力等の敵に勝る力量が必要なのです。
孫子はまた
「兵は詐を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者也」(軍争編)
とも言ってます
敵には詐術を仕掛け、我は合理的に動く、集中分散の変を以て勝利の戦法を作れと。
当時の先頭車両は馬が曳いた、補給車両は牛が曳き、機動性だけを考えると戦闘車両が突進すると、補給車両はついてこれない、
戦闘上の有利さだけを追求して補給を軽視することを
「軍に輺重(しちよう)なければ則ち亡び、糧食なければ則ち亡び、委積(いし)なければ則ち亡ぶ」
(軍争編)
と、きびしく戒めています
後の先をとれといっても、そのために戦闘上の利を追求しすぎて補給を軽視してはいけないと
我々いろんな場面で、拙速に動くことが多々ありますよね
それでよく失敗します・・・・・・・☆