かすかだが頭の中ではきちんと聞こえている
「ねえ・・・・僕と遊んで・・・・」
振りかえり、その囁きはどこから聞こえてくるのか様子をさぐった。
半開きのショーウインドウ・・・・そこからとしか思えない。
もう一度、ショーウインドウを覗きこむ。
またしばらく目を凝らして、その人形を眺め長ながらそこにたたずんでいた。 なんだか気になる一体がある・・・・・・
すると、その店から人の気配が・・・・・・
脇のドアが開き、初老の店主らしき人が声をかけてきた。
「こんなに早くに、どうしたんだい? 気に入ったものでもあるのかね?」
・・・・・・・「ええ、あの人形が僕に・・・・・・」
「あの人形がどうしたんだい?」
・・・・・・「僕に囁いているようなんです」
「ほう、どんなふうに囁くんだい」
・・・・・「ええ、一緒に連れ出して、遊んでくれって」
その店の店主はも僕の顔をしばらく見つめ
「こんなとこでは寒いから、中に入りなさい」 と店の中へ通してくれた。
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