一年前のその女の子が聞いた囁き
今日、この人形が囁いたことには、その女の子の人形と何か関わりがあるのか・・・・・・・
「この店の前で立ち止まって、長い間 覗き込む客も・・・ あんたとその女の子くらいだった。 この隙間から、わしはあんたの様子を眺めていたんだ」
と、店の主人はその人形の脇から見える歩道を指差した。
「あんたと、何か不思議な縁があるのかな? ところで、あんたはこの国の人間じゃないな?」
「はい、私は日本から仕事の関係で毎年3月にここに来ています」
「ほう、ずいぶん遠くから・・・・・」
この会話を交わしている間に、僕は無性に この1体残された マリオネットがほしくなった。
「この人形、私が買います・・・・いくらなんでしょう?」
しばらく主人は頭を抱えで考え込んでいた・・・・・・
「すまないなー、やはりこの人形はあの子にとっておくことにするよ」
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